RAIN DROPS -初めての恋-




……え?


あたしは、亜美の口をふさいでいた手から力が抜けた。




「「きゃーーーっ!!!!」」


教室は、一瞬で歓声と悲鳴の
甲高い声で包まれた。




天音くんはあたしの右耳に顔を近づけ、


「『明日からは俺は笑花と噂だ』って言ったでしょ?」


なんていたずらに言う。




そして、そのままほっぺたに



―――ちゅっ



かわいい音をたててキスをした―――。





キンキンする声が増しても天音くんは不敵に笑って。

天音くんは本当にあたしの心臓に悪い……。



あたしの心臓は、みんなの声に負けないほど高く鳴っていた―――。




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