RAIN DROPS -初めての恋-
――キーンコーン カーンコーン
チャイムが六時間目の授業の終わりを告げる。
やっちゃった…。
今日もほとんど授業聞いてない…。
ガクッとうなだれたあたしを、天音くんはクスクス笑いながら聞いてくる。
「終わっちゃったね?」
……授業に集中できないのは、天音くんのせいなのに。
あたしの気なんて知らないで。
もうっ!
あたしはちょっと膨れっ面になってしまった。
でも天音くんは、そんなのお構い無しで。
あたしの左腕を引っ張って立ち上がらせると、
「帰ろっか?」
優しい笑顔で言った。
……だめだ。
あたしはこの笑顔にも弱い…。
と言うか、天音くんに弱い…。
体は正直で、さっきからドキドキいってる。
「…うん」
あたしは観念して、天音くんにそう答えた。