RAIN DROPS -初めての恋-
その子たちが言ったことを、ぼーっとした頭の中で考える。
……天音くんの周りには、こんなキレイな人ばっかなんだ。
自分でも分かったつもりだったのに、あたしと天音くんは思ってた以上に釣り合ってないんだね……。
俯いてしまったから、天音くんの顔は見えない…。
今、天音くんはどんな顔してるのかな……。
あたしのことなんか忘れたように、女の子たちは天音くんに詰め寄って、「ねぇ?」「一緒に帰ろうよぉ?」「いいよねぇ?」なんて言ってる。
さっきまでの幸せだったあたしの気持ちはどこかに行っちゃって、今は零れそうになる涙を堪えるしかできなかった。
この手を伸ばせば天音くんは届く距離にいる。
でもあたしの足は動かない。
あたしたち二人の間には女の子が三人もいるんだね……。
いや、本当はそれ以上…。
「更科さんと帰るより、あたし達と帰った方が楽しいよぉ?」
その言葉が耳から入って、あたしの鼻はツーンとした……。
どうしよう…。
泣いちゃ、だめなのに…。
涙が落ちちゃう……っ…。