RAIN DROPS -初めての恋-
「もういいよっ!!」
話しかけて来た女の子がそう叫んで、パタパタと廊下を走って行く音がした。
天音くんはあたしのために怒ってくれるんだ……。
天音くんもあたしと帰りたいって思ってくれるんだ……。
付き合っててもいいんだ……!
そのことがうれしすぎて、あたしの涙は止まっていた。
でも、天音くんはまだ離してくれる気配がない…。
どうしよう。
今さらだけど、ここは教室で。
今のあたしたちは注目の的で。
恥ずかしすぎるっ!
どうしよう!
ざわざわする教室で一際大きい男の子の声が響いた。
「あまねーっ!?チューはしないのーっ?」
その言葉に乗せられるように、きゃっきゃっと周りは勝手に盛り上がりだした。