RAIN DROPS -初めての恋-




「あたし前に、雨がきらいって言ったでしょ?」


天音くんの顔を見ると、ドキドキしてしまって話せなくなる気がして。

あたしは俯きながら言った。


「初めて話した時」

「そうそう」


二人で顔を見合せて少し笑う。

傘に当たる小さな雨の音があたしを落ち着かせてくれる。

あんなにきらいだった雨が…。


「ずっとね、きらいだったんだよ…。」

「なんで?」

「だってあたし、雨女なんだもん…」


天音くんは黙って聞き続けてくれる。


「なんかあたし、神様に嫌われてるみたい…。
…あたしが…嬉しい事とか楽しみな事があると雨が降るんだよ?」


いつも、いつも……。


見上げると天音くんは何か言いたそうな顔してるけど、口は開かない。




< 96 / 110 >

この作品をシェア

pagetop