RAIN DROPS -初めての恋-
少しずつ、雨は静かになってきていた――。
通り雨だったのかな?ってちょっと考えた。
「だから神様に嫌いって言われてる気がして、雨がきらいだったの…。」
一番言いたいことが近づいてくる――。
「…それに、“笑花”って名前に、雨女のあたしじゃ、負けちゃう気がして……」
緊張する……。
きっと顔が赤い……。
あたしは少しだけ天音くんの手を強く握りしめた……。
そうすると天音くんは握り返してくれた。
まだ少しだけ降る雨の空を見上げて、あたしは言った。
「…でもあたし、今は雨が好きだよ」
ちょこっ、と青い空も顔を出し始めている。
あたしの目で、今度は天音くんを捉えて言う。
言わなきゃ……。
「天音くんを“好き”になったからだよ…」