友誼ゆうぎ〜自分のために鏡みよう〜< 短編集 >
花園さんにシャンプーしてもらいながら、
シャンプーの香りに
また心がドキドキしてきた。


「 花園さん
このシャンプーに恋しちゃいました。 」


「 本当に?
ありがとうございます。
この店のオリジナルなんですよ。
これから販売する予定なんです。 」


そっかぁ…
今は手に入らないんだぁ。
残念だなぁ。

すっかりシャンプーの香りに酔いしれていた。


どうしてもシャンプーの香りが気持ちよくって
カットの説明をしてくれているのに
花園さんの言葉が入ってこない。


「 今日は私の誕生日なんです。
だから自分へのプレゼントに髪をキレイにしたいんです。
花園さんに全てお任せします。 」


私は出来上がりを楽しみに
頭を触られているからか
少しウトウトしてしまった。


「 はい、出来上がりました。
犢橋さま…
いかがでしょうか? 」


鏡に映る私の髪は
自分の色よりも少しだけ明るくなって
サラサラしていた。

想像していたよりも
めちゃくちゃ良かった私は


「 次も花園さんを指名させてください。
すごくうれしい!! 」


私の喜びを
本当に喜んでくれて
更に嬉しくなった。
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