友誼ゆうぎ〜自分のために鏡みよう〜< 短編集 >

「 人を好きになった瞬間にさ、
ほかの人には絶対にわからないスイッチがあって、
ON!になって…
急にキレイになる!
なんてのがあったらいいね…。 」


一緒に雑誌を立読みしている、
水輝に伝えてみたけど…
私の言葉はスルーされてしまって、
完全な独り言になっていた。
なぜか悔しくなった私は


「 ねぇ、水輝!!
私の話聞いてくれてるの? 」


雑誌から視線を外さないでいる水輝


「 えっ!何か言ったの?
ごめん聞こえなかった。
もう一回言ってくれる? 」


もう!!
水輝って、
スマホいじっていても
雑誌みていても
それ以上のことが出来ないのかな?
1つのことしかできないタイプなのかな?


「 もう一回言うけど…
水輝…。 」


「 深里、
この人かっこよくない?
みてみて!! 」


私のもう一回伝えようとした言葉は
水輝の熱すぎる言葉によって
遮られてしまった。


水輝の、
かっこいいっていう人は
最近テレビで見かけるようになった人だった。


「 深里の話
なんだっけ? 」


「 あっ!
それはもういいよ。 」


雑誌を見ている
水輝のキラキラした目が
なんだか…
とても羨ましくみえた。

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