友誼ゆうぎ〜自分のために鏡みよう〜< 短編集 >


私は
好きな人ってわけじゃないけど…
友達とも思ったこともないような…
自分でもわからないんですよ!
本当に自分の気持ちなのにね…。



「 なぁ、地平。
前から聞きたかったんだけど、
地平と咲来ってさぁ、
どんな? 」



「 どんなって、何?
咲来は幼馴染みだけど…
なんで急に、どうした? 」



「 どうしたって
オレさぁ
なんて言うの…
ほら!
咲来のこと好きだったりしちゃうわけよ。
うーん好きなんだよ。
地平と別に何もないならさぁ、
言っちゃう?
っていうか
言っちゃおうかなぁなんて考えたりしてるわけよ。
でさ、
言っちゃう前に
地平に確認しとかないとさ、
なんて言うの…
だからさぁ
言っちゃうかな? 」



私は
この恥ずかしい会話を
ドアを1枚へだてた廊下で聞いてしまった。

この
どうしようもなく恥ずかしい会話を
1人で聞いたなら
聞かなかったフリが出来たんだけど…。



「 きゃぁぁ!
夢亜、よかったね。
あの声は抜海だもんね。
抜海ってさぁイケメンじゃん!!
いいなぁ♪
昨日かな、一昨日かな、
隣のクラスの智北さんが告白したけど
フラれたんだってさ!
あんなに可愛いのにねぇ。
その智北さんはショックのあまり今日休んでるらしいし…。
夢亜、
今さぁ、
好きな人いないなら
付き合っちゃいなよ!
いいじゃん!
抜海イケメンなんだからさぁ。 」



「 あの、
いいじゃん!って
私の気持ちは? 」



二人が廊下にいることなど知らない教室の二人は、
私への告白の言葉を声にだして
相談していた。



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