友誼ゆうぎ〜自分のために鏡みよう〜< 短編集 >


くららは
私のことなのに
自分のことのように楽しげで
めちゃくちゃ元気よくドアを開けた。


くららは振り返り
私へ満面の笑みをして
教室へ一人入って行った。

私は
どうしていいかわからずに、
くららのあとをついて行くしかなかった。



「 ねぇ、
熱く語り合ってる君たち二人さん
私たちファミレスに行くんだけど
一緒に行かないかい? 」



くらら、何?
そんな約束してないじゃん。
はじめて聞いたわ!



「 オレは予定ないし行こうかな。
地平も行くだろう? 」



「 うん、行こうかな。
夢亜も行くんだろ? 」



仕方なく小さくうなずいた。


いつもなら
ふつうに地平の隣を歩き、隣に座る…のに、
なんか今日はぎこちなくって
自分じゃないみたい。

そんな私を見て
くららは楽しんでいる。



「 やっぱり、
私、
帰る!
なんか頭痛がしてるし…。 」



「 じゃぁ、オレも帰るよ。
隣だから送って行くよ。 」



「 私に優しくなんか、
もうしないで! 」



そんなに強く言ったわけじゃないけど
三人はビックリして
私を見ているだけだった。


私は
その場から走り出すしかなかった。


私は地平のこと
友達という言葉でも
幼馴染みって言葉でも違う気がしていた。



だけど
そんなのどうでもいいや。

一人で冷静になりたかった。





end



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