キズナ~私たちを繋ぐもの~
「待つから」
「司」
「ずっと待つから」
「だってっ、私」
「綾乃?」
言ってしまっていいのだろうか。
兄とは血がつながっていない。
それを言って、どうにかなるの?
兄にはその気が無い。
私を妹として大事にしてくれているだけ。
だったら……。
ずるい私が顔を出す。
だったらやっぱり、司を手放さない方がいい?
「私、たちは……」
「……」
髪に触れられた時に、シャラリと、ピアスが音をたてる。
目が覚めたように、私はずるい考えを押しやった。