キズナ~私たちを繋ぐもの~
自分の言った言葉が、頭の中で回っている。
安堵、後悔、安堵、後悔。
感情は繰り返し繰り返し、交互に襲ってくる。
お兄ちゃんが好き、司が好き、好き、好き、好き……。
「最低……」
もう前が見えないほど、涙が盛り上がってくる。
一度立ち止まったらもう動けなくなりそうな気がした。
遊園地の出口を出て、行き先も分からないバスに乗り込んだ。
空いていた席に座りこんで、景色も見れずにうずくまる。
「もう、ヤダ……」
自分が思っている以上に、司がいた所にできた穴は大きい。
兄を好きだと言う感情とは別に、確かにあった彼への感情の大きさに、私は打ちのめされそうな気がした。