キズナ~私たちを繋ぐもの~
「どうしてかなぁ」
暗い部屋にとける独白。
自分でも分からないなんて、なんて間抜けなんだろう。
彼との付き合いはずっと順調だったし、彼に対しての不満がある訳じゃない。
だったら私は何が不満なんだろう。
何にためらっているのだろう。
「結婚……かな」
結婚という言葉に、私はたじろいだんだ。
それは何故だろう。
まだ早いから?
でも、25歳という年齢は、適齢期ではあると思う。
ただ、プロポーズされて初めて気がついたけれど、
私自身は、彼との結婚について一度たりとも考えた事がなかったんだ。
だって結婚すれば変わってしまう。
今の生活が。
「……」
何かが閃きそうなその時、庭先に車の停まる音がした。