キズナ~私たちを繋ぐもの~


好き。

この「好き」は一体どういう好きなんだろう。

兄として好き。
家族として好き。
男として……。

そういう風に、好き?

分からない。
色んな感情がありすぎて、どれが一番強いのかも分からない。


でも今、吸い寄せられるようにこの唇に触れてみたかった。

これだけ深く寝ているなら、きっと目は冷めない。

一度だけ。
……もう、一度だけ。

目を閉じて、お酒の匂いのする兄の唇に、自分のそれを合わせる。
温かくて柔らかい。

強いお酒の匂いに、眩暈がしそう。

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