キズナ~私たちを繋ぐもの~
「……好きなの」
「あや……の?」
兄の顔つきが変わる。
驚いているの?
嫌がってるの?
でももう止められない。
体に溜まってしまった熱が放出できなくて、苦しくて苦しくて。
吐き出してしまえと私を責め立てている。
「私ずっと、お兄ちゃんが好きだったの」
「なに、……言ってるんだよ」
「お願い」
固まる兄に、自分から抱きついた。
胸に残るのは、言ってしまった後悔。
これでもう、戻れない。
大事に守ってきた何もかもを、私は今、一瞬の衝動で全て終わりにしてしまった。