キズナ~私たちを繋ぐもの~
「私は……」
「司くんは、どうしたんだ」
私の言葉を遮るように、兄がその事実を畳みかける。
「司……とは」
心臓が早鐘を打つ。
こんな風に抱きついていたら、きっとこの音がばれてしまう。
だけど離れて顔を見る勇気もない。
話をしていると、どんどん兄妹に戻される。
伝えてしまった事が、一時の激情だったと諭されてるみたい。
「わ、別れてきたの」
「……」
兄が息を呑むのが、首のびくつきで分かった。
私は怖くて。
何を言われるのか、
この手を離されてしまうのか
分からなくて怖くて。
必死にしがみついた。