キズナ~私たちを繋ぐもの~
どうしていつも私はこうなんだろう。
キライ。
どうしようもないほど。
こんな風に弱い自分なんか、大嫌い。
「……アヤ」
小さな、兄の呟き。
背中に回された手に、力が入った。
「お兄ちゃん?」
「アヤ」
「えっ……」
何が起きたか分からない。
私の唇は、兄のそれで塞がれた。
入りこんでくるお酒の匂い。
思わず目をつぶってしまったから兄の表情は見えないけれど、その唇は何度も角度を変えて、私の上に落ちる。