キズナ~私たちを繋ぐもの~
伝っていく涙を掌で拭いていると、彼の手が私の頭を掴んで軽く引き寄せた。
「いいよ」
その声は、予想していたよりも温かく、優しかった。
「俺はそれが嬉しいんだ」
「……」
涙の止まらない私を、司は店の外まで連れ出してくれた。
夜中のコンビニは、人はまばらだけれども、その分泣いていれば目立つ。
司は迷ったようにあたりをきょろきょろと見回した。
「話、聞かせて欲しいんだけど」
「……」
「どこでがいい?」
親が子供を諭すように優しく言われて、私はすぐには答えられなかった。
迷って視線を上下させる。