キズナ~私たちを繋ぐもの~
「今日は俺の部屋に連れて帰ります」
きっぱりと司がそう言い放った。
私も兄も、驚いて司を見た。
「明日は日曜だし、問題ないでしょう。
綾乃、別に変なことをするつもりはないから」
「う、うん」
「司くん」
「達雄さんも。酔ってるなら家で寝た方がいいです。綾乃の事はしばらく俺に任せてください。彼女の意見を無視するような事はしませんから」
私と兄と彼。
今対峙している3人の中で、一番冷静なのは司だ。
私も兄も、彼に対抗するほど頭が回っていない。
結局私たちは頷いて車に乗り込むと、兄を家の前で下ろし、私は司の部屋へと行く事になった。