キズナ~私たちを繋ぐもの~
片付けを終えて、車に乗り込む。
司は先に、ドラッグストアに寄った。
「綾乃がいつも使ってるもの、入れて?」
「でも」
「シャンプーでも化粧水でも。俺が払うよ」
「……ん、でも」
ためらいながら、小さいサイズのシャンプーを手に取る。
これが無くなるまでなら、甘えてもいいだろうか。
実際、兄と毎日顔を合わすかと思ったら辛い。
だって私は今でも兄の事が好きだ。
冷たくされるのならともかく、兄は私に優しすぎる。
一緒に居て、諦められるとはとても思えない。
「……本当に良いの?」
「良いよ」
司はサラリと言って、私の手からそのシャンプーをとるとかごに入れた。
促されるまま、私は自分が普段使っているその他のものもかごに入れた。