キズナ~私たちを繋ぐもの~
それはそれで不可能だ。
私の気持ちは、自覚して以降ふくらみ続けている。
いつかはきっと爆発していたに違いない。
であれば、今のこの現状は当然の結果だったのだろうか。
「さむ……」
部屋は暖房をつけているのにどこか寒い。
外を見ればちらちらと白いものが降っていた。
「雪だ」
積もりはしないだろうけど、そのくらい冷えていると言う事か。
窓の近くに寄って、薄暗い空を見上げる。
白い雪の合間から、兄の顔が見えるような気がする。
「……」
今まで、当然のように一緒に居たから、気づかなかった。
『会いたい』という気持ちは、
こういう風に募るものだったんだ。
降りしきる雪が、
少しずつ重みを増すように、
軋みを伴いながら、胸にのしかかってくるものだったんだ。