キズナ~私たちを繋ぐもの~
変化と電話
そうして月日は流れるように過ぎ去って行く。
2月頭の兄の誕生日も過ぎてしまった。
お祝いさえ言えない事を寂しいと思ったけれど、電話することもできなかった。
声を聞いたら、また気持ちが動いてしまうかも知れない。
今になってもこう思ってしまう自分が悲しくて、辛かった。
私は何のために司の部屋に居るのだろう。
ここに居て、兄を忘れられないんでは意味が無い。
ただ司を傷つけているだけだ。
気まずさから、母の病室にもずっと顔を出していない。
きっと薄情な娘だと思われているだろう。