キズナ~私たちを繋ぐもの~
食事を終えて、私はバスルームで髪を洗っていた。
シャワーからの水滴が体を伝って落ち続ける。
そこに並べられたシャンプーはもう残り少ない。
それはすなわち、この同居生活が潮時だということを示している。
ずっと、甘やかしてくれる司にただ甘えてきてしまった。
今だけじゃない。
本当は、付き合い始めた2年前からずっとだ。
いい加減、何らかのケリをつけなきゃいけない時期にきている。
シャワーを止め、体と髪をタオルで拭く。
跳ねた水滴が頬にあたり、重力に逆らわずに顎の方へと流れていく。
髪を乾かしながら、決心を固めようと誓うも中々心は定まらない。
「なんでこんな……」
思わず舌うちまで出てしまう。
なんでこんなにずるくて優柔不断なんだろう。
自分が嫌になる。
甘えてるのはダメだってずっと思っているのに。