キズナ~私たちを繋ぐもの~


「でも、私は……」

「いいよ」


何もかもを見透かしたような彼の声。


「達雄さんの方が今は好きでも、……いいよ。利用して」

「そんなこと……」

「すればいい。……そうして欲しい」


優しい声が体中に染みて、私の体からはどんどん力が抜けていく。

どうやっても逆らえない重力のような力が、彼の声の中にあるような気がした。

近づいてくる唇が熱い吐息と共に重なって、頭の芯がしびれたようになる。
やがて侵入してくる彼の舌は、私の意識をかく乱させた。


「あっ……。はっ」


呼吸が苦しくて、離れた一瞬に出るのは喘ぐような声。
しばらく誰にも触れられていなかった体は、予想より簡単に熱を持った。

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