キズナ~私たちを繋ぐもの~
その夜、私たちの関係は元に戻った。
結局私には、一人で立つ勇気なんか無くて。
ずっと司に甘えたまま。
何も纏わない体で私を腕に抱く彼が、天井を見上げながらポツリと呟いた。
「シャンプー。そろそろ買わないとな」
私はそれに、小さく頷くことで答えた。
そして静かに、決心を固めた。
……司と生きていこう。
この人以上に私を分かってくれる人なんて、きっといない。
もう、兄の事は忘れよう。
例え、忘れられなかったとしても、この想いを口にする事はもうやめよう。
司との未来を考えて生きていくんだ。
胸の奥で何かが悲鳴をあげたけど、それには気づかないふりをして、目を閉じた。