キズナ~私たちを繋ぐもの~
母は随分やつれていた。
点滴も相変わらずつけられている。
腕に残る注射跡が何か所もあるところを見ると、もうずっと長いこと点滴は付けたままなのかも知れない。
「……最近発作が多くて」
「心臓の?」
「ええ」
「大丈夫なの?お母さん。
折角病院に居るのに治らないんじゃ何のために居るんだか分からないよ」
「そうね」
苦笑して、母は兄に目配せをした。
すると兄は目を伏せて、司に話しかけ、そのまま連れだって病室を出て行く。
母と二人で残されて、私はまた居たたまれない感覚に陥った。