キズナ~私たちを繋ぐもの~
母と義理母と
それからしばらく、私はまた司の部屋で生活を続けていた。
司はどこかに電話をかけたり、書類を眺めたりとせわしなく動いていた。
私はずっと、左手にはめられた指輪をただぼんやりと眺めていた。
これをもらったと言う事は、私は彼と婚約したという事になるのだろうか。
キラキラと光を受けて輝くのはダイヤモンド。
この光に見合うほどの輝きが、自分にあるとは思えないのに。
「綾乃」
「……なに?」
「今度、俺の両親に会ってほしい」
「……うん」
司は確実に、結婚話を進めようとしている。
私も、異存がある訳じゃなかった。
彼との未来を、生きて行こうと思ってる。
だけど、本当に良いのだろうか。
こんな私で、彼の両親は納得するんだろうか。