キズナ~私たちを繋ぐもの~
あったよ。
お母さんに言えなかったこと、一杯あった。
私はお兄ちゃんが好きなの。
でも駄目だから、ずっと誤魔化して生きていたの。
司と出会って、彼は私を大事にしてくれて。
彼を好きになれたのに、それでもまだ頭からお兄ちゃんが抜けないの。
ねぇ。どうしたらいいの。
どうしたら楽になれるの。
お母さんなら、答えを知ってるの?
「……私」
喉元まで、言葉が出かかった。
もうこれを言ってしまいたい。
言って答えを教えてほしい。