キズナ~私たちを繋ぐもの~
「……うん。日曜に彼の両親に会うの」
「そうか」
私は自分をも納得させるために、はっきりと口にした。
兄もそれを了解したのか、さっと私の手を離した。
それが寂しくて、悲しくて、そう思う自分がたまらなく嫌になって。
いたたまれず、私は立ち上がった。
「私、もう帰るね」
「綾乃」
「司に、……ご飯作ってあげなきゃ」
顔を見ることもできずに、急いでドアまで向かった。
「……アヤ!」
兄の声に後ろ髪を引かれながら、私は答えることもなくドアを閉めた。