キズナ~私たちを繋ぐもの~
「はじめまして、司の母です。まあ、可愛らしいお嬢さんね」
「司の父です。さあ、綾乃さん座ってください」
「はじめまして。……あの、ありがとうございます」
お父さんもまだ若くて優しそう。
私に気づかいを見せてくれる。
全員が席について、一瞬緊張が走る。
何か話しかけなくちゃと思うけど、何から話したらいいのだろう。
「ほら、綾乃見てごらん。景色が綺麗だ」
司がそう言って、私の視線を窓の外へと誘導する。
今日は晴れていて、遠くの山まで良く見える。
「わぁ」
自然に頬が緩む。
司が、私をリラックスさせてくれた事が分かって、嬉しかった。