キズナ~私たちを繋ぐもの~

そこへ、司のお父さんが口を挟む。


「お兄さんはいくつなんだい?」

「35歳。……私と10歳違いなんです」

「ご結婚は?」

「……まだです」

「そうか。色々大変だったんだろうね。年の離れた君の事も心配だったんだろう」


その言葉に心臓が痛む。

確かにそうだろう。
面倒を見なければいけない私がいたから、兄は今の今まで結婚もしなかったに違いない。


「あら、でももう大丈夫よ。綾乃さんだって司と結婚するんだもの」

「ああ」


司のご両親は目を合わせて微笑み合う。

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