キズナ~私たちを繋ぐもの~


司のお母さんの言葉は優しいのに、なぜこんな風に痛むんだろう。

優しく、私を受け入れてくれてる。
そのはずなのに、何故か辛い。

まるで今までの私は不幸だったって言われているみたいで。



……私は何も辛くなんかなかった。

確かに、父はいなくて、母もいないも同然だったけれど。


兄がいた。
兄がずっと支えて、守ってくれてた。

それはとても幸せで、心強くて。

兄と一緒なら構わなかった。

毎日の掃除も洗濯も炊事も。
何も辛くなんてなかった。

不幸だなんてこと、何一つとしてなかったのに。

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