キズナ~私たちを繋ぐもの~
その関係が変わったのは、私が8歳の時。
私の誕生日から1ヶ月ほど過ぎた後にやってくる兄の誕生日だった。
その日、私は眠っている途中で目を覚ました。
普段は一度眠ったら起きないのに、珍しく早い時間に目を覚ましたのは、夕飯の時に兄の誕生祝いでジュースを飲み過ぎたせいだったのだろう。
トイレに行きたくて、怖いながらも暗い廊下を歩いていると、居間からは両親と兄の話声が聞こえた。
皆で夜更かししてる。
そう思って私は頬を膨らませた。
年齢のせいもあるけど、9時を過ぎると「寝なさい」と言われることが常に不満で、自分だけがのけ者にされているような気がしていた。
だからその時、こっそり覗いてみたくなって、襖の縁を掴んで少しだけ開けたのだ。
そこに見えたのは、土下座する兄の姿。
私は驚きのあまり声をかけることもできずに、ただそれを見ていた。