キズナ~私たちを繋ぐもの~
私は頭を振って邪念を遠ざけようとした。
ダメだ。
私がいたら、兄は幸せになんかなれないんだから。
甘えたいなんて思っちゃいけない。
早くシャワーでも浴びてさっぱりしよう。
私はそう思って、部屋着に着替えるために着ていた服を脱いだ。
下着姿になったところで、部屋のドアがノックされる。
「アヤ」
兄の声に、急に鼓動が速くなる。
私は咄嗟に持っていた服で胸元を隠した。
「な、なに?」
「開けていいか」
「や、ちょっと」
駄目。
そう言おうとして、別の考えが頭をよぎる。
もしも今この扉が開いて。
私のこの姿を見た兄は、どういう反応をするんだろう。