キズナ~私たちを繋ぐもの~
兄の足音が遠ざかって、私は体中から力が抜けてその場に座り込んだ。
何を考えていたんだろう。
そんなこと、してはいけなかったのに。
それにそんな事をしたところで、兄にとって妹である事は、代わる訳が無かったのに。
「私って、……最低」
サユちゃんが可哀そうだとあれほど思ったのに、いざとなって自分の欲をさらけ出そうとするなんて。
私は小さく頭を振って、自分の熱情を覚まそうとした。
熱いシャワーでも浴びよう。
変な期待を持つのは、もうやめないと。
私は服を手にとって、浴室まで駆け足で向かった。