キズナ~私たちを繋ぐもの~
「そうだな。そう遠くない未来か」
「お兄ちゃんの妹で良かった」
「アヤ」
なんだか涙が出そう。
でも泣いてしまったら、これが別れの挨拶だと気付かれてしまう。
「……私、幸せだったよ」
「やめろよ」
しんみりとする私とは対照的に、兄は少し声を荒げた。
「今までありがとう」
「アヤ!」
兄が訝しげに私を凝視する。
私は視線をそらして、腰を上げた。
「もう寝るね」
「ちょっと待てよ。綾乃」
「少し酔ってるみたい。ごめん」
兄の制止を遮って、自分の部屋へと入った。