キズナ~私たちを繋ぐもの~

あなたと私


 来週の月曜日が、母の命日だ。

仕事が休みの水曜日、私は、ほぼ1年ぶりに故郷の駅へ降り立った。

今日ならば、ばったり兄に出会うこともないだろう。

首筋をまだ寒い風が撫でつけていく。
ショートヘアにしてから、かれこれ1年ほど経つけど、首筋の寒さはどうも慣れない。

私は花束を持ったままお寺に向かった。
ここに、父と母のお墓がある。

お墓は思ったより綺麗だった。
兄だって、忙しいのだろうからそんなに来てはいないのだろうけど、もしかしたら来るたびに掃除してくれているのかも知れない。

たむけてある花は枯れていたので、取りだして新しい花を生ける。

黄色や白のスプレー菊の中に、一本だけ母の好きな大きめのオレンジ色の花が入っている。
もう片方には、父をイメージする白の花。

対にして供えてあげたかった。
天国で一緒にいるのを、きっと母は喜んでいるだろうと思うから。

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