キズナ~私たちを繋ぐもの~
「ふう。おいしかった!」
最後のデザートまできっちり食べて、私はすごく満足していた。
「じゃあ最後はこれだ」
「え?」
彼は手品を披露するマジシャンのように、ハンカチを手の上に広げた。
「ほら」
スッと引き抜かれた後、その手に残ったのは白地のラッピングペーパーにピンクのリボンがつけられた小さな箱だった。
「何ボーっとしてんだよ。プレゼント。25歳おめでとう、綾乃」
「あ、ありがとう」
その大きな手に乗せられた箱はとても小さく見えて可愛らしい。
その可愛らしさが
自分には似合わない気がして、苦笑を漏らしてしまう。