キズナ~私たちを繋ぐもの~
「デートか?」
「う、うん。そう。あの、……おかしくないかな」
「ああ、可愛いけど。……相手は誰だ? どこのやつ?」
「え? あの、クラスメイト」
「いつから付き合ってんだ?」
「いつからって……この間告白されたばっかだよ! もう、お兄ちゃん、余計なこと聞かないで、恥ずかしい」
「だって」
「着替えたら行くから。居間で休んでてよ!」
綾乃が俺を追いたてるようにして扉を閉める。
……面白くない。
いや、でも綾乃も年頃なんだから仕方ないのか?
高校2年生。
男が出来たって仕方ないか。
でもなんだかイライラする。
大事なものを盗られたようなそんな気分。
こういう気持ちって、親父が感じるモンなんじゃないのか?