キズナ~私たちを繋ぐもの~
まあ、親父が亡くなって8年。
親代わりみたいなもんだったんだから、こんな風に感じるのは当然なのかもしれない。
俺は自分の中にうごめく黒い感情を、そんな風に納得づけた。
「お待たせ。今すぐ作るね」
綾乃がTシャツとジーンズに着替えてやってくる。
別にこれが似合わないと言う訳じゃないが、さっきとの服装の違いにちょっと苛立つ。
なんだろう。今日はおかしいな。
疲れているのかもしれない。
「綾乃、なんか簡単なものでいいよ。俺、なんか疲れてるみたいだ」
「そうなの? 大丈夫?」
「ああ。なんか胃が痛いような気がする」
「じゃあ、消化いいものだね。うどんとかでもいいかな」
「ああ」