キズナ~私たちを繋ぐもの~

その日の夕食は、月見うどんと冷ややっこ。

胃には負担がかからないメニューだったと思うのに、翌日になっても俺の胃は痛かった。

昨日ちらりと見たように、かわいらしく着飾って、頬を染めながら家を出ていく綾乃を見ていると、それは益々酷くなる。


ああ、やばいな。

体調を崩すことなんて、しばらくなかったのに。

大病だったらどうしよう。

イヤ、ダメだ。

俺が居なくなったら綾乃はどうなる。

母さんだってまだ入院中だし、俺がしっかりしなければ。


でも。


……でも、胃が痛くてたまらない。


こんな時に一人って、寂しすぎて堪らない。



俺は何もやる気が起きず、その後、ずっとベッドで横になっていた。



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