キズナ~私たちを繋ぐもの~

話をまとめて、二人で店を出る。

10歩も歩かないうちに、綾乃が俺の服の裾を引っ張った。


「なんだ?」

「あの。……ありがとう」

「変な遠慮すんなよ。実は俺が見たかったんだ。お前の振り袖姿」

「あはは。そうなの?」


嬉しそうに頬を染めて笑う。

この笑顔に10万払ったと思えば、もう何も言う事はない。


「綾乃、これからどっか行くか」

「え? どこ?」

「あてどもなくふらっとドライブは?」

「うん。いいよ」

< 372 / 406 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop