キズナ~私たちを繋ぐもの~
話をまとめて、二人で店を出る。
10歩も歩かないうちに、綾乃が俺の服の裾を引っ張った。
「なんだ?」
「あの。……ありがとう」
「変な遠慮すんなよ。実は俺が見たかったんだ。お前の振り袖姿」
「あはは。そうなの?」
嬉しそうに頬を染めて笑う。
この笑顔に10万払ったと思えば、もう何も言う事はない。
「綾乃、これからどっか行くか」
「え? どこ?」
「あてどもなくふらっとドライブは?」
「うん。いいよ」