キズナ~私たちを繋ぐもの~
「お前は女癖悪そうだからダメ」
「達雄の妹っていうなら一生大事にするけどな」
「ダメダメ。信用できん」
「達雄はどんな男でも信用なんか出来ねーって」
「そんな事ねぇよ。ちゃんと綾乃を想ってる誠実な男が現れれば、俺だって頑固オヤジじゃないんだからちゃんと許してやるよ」
「頑固オヤジの方がまだマシじゃないのかね」
含み笑いをされると、何だかムカつく。
なんでそういつも勝ち誇ったようなんだよ。
お前は俺の何を知ってるんだ。
「俺はそんなわからず屋じゃない」
「わからず屋だろ。自分の気持ちも分かってない」
「分かってる! 俺はアヤが大事なだけだ!」
大きな声で言い切って、周りの視線にハッとする。
もうしばらく英治とは飲まないぞと、心の中で誓いつつ、帰りはちゃんと車で送ってやるという。
ああ俺って。
なんて人のいい男。