キズナ~私たちを繋ぐもの~
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そして再び、ブルースバーで俺は英治と飲んだくれる。
「……で?」
「理想の男でも嫌なもんなんだな、と」
「じゃあ付き合うなって言えば」
「それも無理」
「なんで」
今度は俺も本気で飲みまくり、前後左右も分からなくなるほど。
まぶたが重たくて目を閉じてしまいたい。
でも目を閉じると綾乃と里中司くんのツーショットが浮かんできて目を開ける。
「……アヤが幸せなら俺はいいんだ」
「でも好きなんだろ?」
「そうみたいだ」
胃が痛い。
いざ理想の男が目の前に現れて、ようやく本当は誰にも渡したくなかったんだなんてこと、気付いたって仕方ねーじゃねーか。