キズナ~私たちを繋ぐもの~
「ほら、お前の」
「え?」
「カフェオレだろ? いつも。違うのが良かったか?」
「ううん。これがいい」
もらった冷たいカフェオレを、手の中で温める。
兄が自分をわかってくれる。
それが、嬉しくてたまらなかった。
どうしようもない感情。
これから捨てなきゃいけない感情なのに、こんなにも大切で愛しい。
病室に戻りたくない。
ずっとこのまま、2人きりでいたかった。
もちろんそんな願いは、叶うはずもないのだけれど。