キズナ~私たちを繋ぐもの~


「司」

「うん?」

「……部屋に行きたい」


ずるい。
私は、すごくすごくずるい。


「いいよ。……お腹は大丈夫?」

「うん」


こんな風に感情がどうしようもなくなると、すぐに司に甘えてしまう。

肩を抱かれて車に乗り込んで、片手をつないだまま彼のアパートまでドライブする。


「寒いかもな、部屋ん中」


そう言って電気をつけた彼の背中に、抱きついた。

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