キズナ~私たちを繋ぐもの~

彼と本音


 司に送ってもらって家についた時には、夜中の1時を過ぎていた。
庭には車が無く、家の電気も真っ暗なままだ。


「達雄さんもいないみたいだな。やっぱり泊まればよかったのに」

「本当だ。でも、帰って来ちゃったから。ありがとう司。気をつけて」

「うん。……本当に一人で大丈夫か? 着替え持ってもう一度戻らないか?」

「ううん。大丈夫。一人も慣れてるから」


司は渋々といった様子で、私を玄関まで送り届けた。


 あの後、少し眠ってしまって目が覚めた0時。

「今からならもう泊まれよ」と言った司に、私は「家に帰る」と返した。

着替えもないから、というのは強引な言い訳だ。

彼は不服だったと思う。

明日は土曜日だし、デートの約束だってしている。
本当なら、泊まって朝一度送ってもらえば着替えだってなんだってできるんだから。

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