キズナ~私たちを繋ぐもの~
「……私なんかの、どこが良かったの?」
「ん?」
「あなたにこんなに大事にされるほど、いい女だとは思えない」
他愛のない会話から、変なことを言いだしてしまった。
だけど、ずっと思っていた疑問ではある。
司は私のどこがそんなに好きなんだろう。
彼の事をひたむきに想っている訳でもない、私の事が。
司は驚いた顔でまじまじとこちらを見て、優しく肩に手を乗せた。
「玄関までは入れてくれるか?」
「あ、うん。ごめん、寒いよね」
慌てて玄関を開けて、司を招き入れる。
冬の夜中の風は容赦ない。
しかも彼は常に自然に風上に立ってくれてる。
自分がそれほど寒さを感じないからと、うっかりしていた。