キズナ~私たちを繋ぐもの~
「お茶くらい入れるわ。入って?」
「ああ」
夜中の1時なのに、こうこうと明かりをつけてお湯を沸かす。
「コーヒーじゃ寝れなくなっちゃうよね」
「普通に番茶とかあるか」
「うん。ちょっと待ってて」
急須に茶葉を入れて、湯呑にお湯を入れて適温になったところを急須に移す。
しばらく待って、それから注ぎ入れる。
その一連の動作を、司はまじまじと見ていた。
「はい。お待たせ。……なに?」
「いや。こういうのも良いなと思って」
「え?」
「コーヒーじゃなくて、番茶。なんか、気取って無くて。俺は好きかも」
「そう?」
湯呑から上がる湯気。
確かに漂う匂いも、コーヒーよりは穏やかなようにも感じる。