キズナ~私たちを繋ぐもの~
「もう少しゆっくりしていけばどうだよ。まだ話もしてない」
「でもこの時間ですから。二人ともゆっくり休んでください」
「つ、司」
「綾乃も。少しゆっくり休まないと。顔色が悪い」
確かに昨日も殆ど寝れてないから、寝不足は寝不足だ。
さっき司の部屋で一寝入りしたから、なんとなく目は冴えているけど。
「……玄関まで送るわ」
そう言って、司の後について玄関まで行く。
兄は気を利かせたつもりか、居間の入口で司に挨拶をすると襖を閉めた。
玄関で二人きり。
だけど、少し離れた居間にいる兄が気になって、さっきの事を問いただせない。